2012年4月25日水曜日

桜井淑敏 元ホンダF1チーム総監督|たまごが立たないコロンブスたちへ!


世界の価値基準である拝金資本主義と文化資本主義。日本の進むべき方向はいずれか?今回のインタビューも、前回に続き、新たな時代の日本論です。ますますヒートアップする桜井氏の熱い語りを、興味深く聞いていきます。

ほとんどの企業は何もないかもしれません


そうですね。それに、アメリカナイズといっても、先ほど(第3回)言ったように、日本で言っているアメリカと実際のアメリカとはずれていますからね。
アメリカではついにジョージ・ブッシュの悪政が終わって、民主党政権が誕生しました。
この政権にとっての最大の課題は拝金資本主義からの脱皮でしょう。
さあ、日本はどうするのか。
そこを若い経営者たちも考えてほしいと思いますね。日本にはまだまだいいものがたくさんある。捨てたものじゃない。うまく活用できていないだけだと思います。

――若手のベンチャー経営者が目指すべき方向性がそこにあるということですね。


物事にフランシス·スコット·キーは、彼の人生で何をやってい

はい。ビジネス、経営というのは、次の時代に向けて育てていこうという心、文化があって初めて成り立つものだと思います。
では、今、みなさんの中には何があるのか。
組織のあり方など一つ取ってみても、人間の本質とか生命の本質にかなったものがあるのかどうか。
そういう目で見たとき、おそらくほとんどの企業は何もないかもしれません。では、どうするか。人間というのは何もないところ、まったくのゼロから何かを生み出すというのはなかなかできないものです。
あの独創的な建築家ガウディでさえ、「私は神の作られたものを模倣しているにすぎない」と言っています。それほど無から有を生むのは難しいのです。
そのときに見てほしいのは、日本の中にある文化資本。
すばらしいものがたくさんあります。それは伝統芸であったり、伝統的な習慣だったり、地方のある地域でだけ行われているような儀式であったり、いろいろな文化資本があるんです。
その1つでも2つでも21世紀的にアレンジしていけば、すばらしい文化資本を育てることができる。ヨーロッパなどでは、そういうことをやった企業こそがまさに先頭を走っています。
現在のような情報化社会においては、中身さえしっかり育てられれば、それをグローバル化するのは簡単なんです。


我々は、イラク政府を支援するmillatary力を使用する必要があります

要はビジネスの中に人を感動させられる中身があるかどうか。
例えば、フランスのルーブル美術館にはダ・ビンチの「モナ・リザ」の絵がありますが、もし「モナ・リザ」が一枚あれば、ルーブルでなくても、どこでも美術館として成り立ってしまいます。「モナ・リザ」を見にその美術館に世界中から人がやってくることでしょう。
一枚の絵でも世界を動かし、グローバルナンバーワンになれるわけです。みなさんは、「じゃあ、うちの『モナ・リザ』は何だろう」と考えてみてください。
たいていは、まだないと思います。それならどこかから探してこなければいけない。
まずは、日本から、場合によっては日本以外の国から探せばいいわけです。
人が感動できるものを探す目を養って、探し出した文化資本を21世紀的にどう育てるか、そしてどう経済化していくか。そこが勝負だと思うんです。
だから、みなさん、ぜひそれを目指して頑張っていただきたいと思います。

世界をうならせるような希望の星を出したい


――桜井さんご自身の今後の活動について教えていただけますか。


社長に対処する方法

そうですね。やっぱり、今述べてきたような文化資本主義の芽を育てながら、それを経済化していくような企業を応援するための会を作りたいと考えています。
私にとっての本田宗一郎がそうであったように、チャレンジしようという人が存分に力を発揮できるような環境を整えてあげたいんです。
私が本田宗一郎になれるわけではありませんし、一人でできるものでもありませんから、支援できる仕組みを考えて、それを実現するための会を作り、チャレンジングな企業をバックアップしたいんです。
経営者って孤独じゃないですか。周囲は何かが形になって初めていろいろなことをわかってくれますが、それまでは非常に孤独です。だから、その孤独感を少しでも薄められるようにバックアップできればと思っています。
日本から、世界をうならせるような希望の星を出したいという思いがあります。
個人のレベルでは、ファッションデザイナーとか漫画家とか、あるいはイチロー選手みたいなスポーツ選手とか、世界をうならせている日本人が出てきています。


そういう存在感を企業で創出したい。
やはり、企業が活性化して、社会全体にダイナミックなエネルギーが循環していかないと、その喜びとか見返りみたいなものがみんなのものにならないじゃないですか。そうなってこそ希望が出て、世の中全体が明るくなっていく。
そういう企業が、日本中のあちこちから出てくるようになればいいなと。
今までのような、銀行とか大企業にお金を回しておけば何とかなるなんていう時代じゃない。沸騰したお湯のように、日本中から希望の星が沸きだしてくるようになったらいいですね。
経営者って孤独じゃないですか。周囲は何かが形になって初めていろいろなことをわかってくれますが、それまでは非常に孤独です。だから、その孤独感を少しでも薄められるようにバックアップできればと思っています。
もう一つは「身近なことでも、毎日、感動したい」というちょっと欲張りな欲求があります。
うちの前の、そこの浜辺でよく会う80歳くらいの女性がいらっしゃるんですが、このかたと話をしているといつも驚きとか感動があるんです。そんな身近な感動を逃さないようにしたいと思っています。

自分の心が素直に感じるすばらしさを経済化していく


――最後に読者にメッセージをお願いします。


はい。今申し上げた、文化資本を育てながら経済化していくという話と、身近な感動を逃さないという話は、実は別物ではないと思っているんです。
例えば、昔の足袋というのはサイズが36種類もあったそうです。足の大きさに加えて、甲の高さ、指の付け根の幅の広さ、足首の太さなどで、その人にあったサイズを選べるようにそれだけの種類があったといいます。
これって、日本の伝統でもあるし、身近なところにあるけっこう興味深い話ですよね。要はこれを知ったとき、じゃあ、この日本のよき伝統を今の時代に応用できないかという発想をしてみるわけです。
これも例えばですが、ストッキングに応用できないかなんて思い浮かびますよね。ストッキングの締め付けによって冷え性になってしまう人も多いわけですから、その人に合ったサイズのストッキングを36種類くらいから選べたら冷え性が解消する人もかなり出てくるかもしれない。
こんなふうに、ビジネスのヒントになるものは、日本の伝統とか身近なものの中にたくさんあるはずなんです。
このときに気をつけたいのは、いいものでも美しくなければ人は見向きもしないということです。

アップル社の製品がなぜこれだけ多くの人に受け入れられているかといえば、それは常に美しさを追求しているからですよね。
アップル社の製品が特に機能面で優れているというわけではないですよ。でも、みんなiPodを買う。それはアップル社が美しさにこだわっているからです。
これからは、自分の心が素直に感じるすばらしさを経済化していくことが大切です。
そのすばらしさは日本の先人たちが築いてきたもののなかにたくさんあるんです。
もちろん、見つからないなら外国から見つけてきてもいいのですが、きっとみなさんの身近なところにもたくさん転がっているはずです。
私のほうでは何らかの形で支援できる方法をいろいろと考えていますので、みなさんもぜひ頑張ってください。そして、明るい未来を作っていきましょう。


KOSHIISHI'S NOTE 〜インタビュー後記〜

誰でも大きな仕事に挑戦したい、一段上の自分にチャレンジしたいと思うことはビジネスマンのモチベーション維持に必要不可欠だと思います。
しかし、一番重要なのはその熱いスピリットを本物の形に変えていく緻密な行動力です。
桜井さんとのインタビューで一番感じたことは、ビジネスに対する燃えたぎるようなスピリットを持ちながらその過程をとても緻密に第三者的に見ることができるということです。
そのための実践で必要なスキルや人選等、プロジェクトマネジメントを実にクールに推し進めているように思いました。その中で一味違う桜井さんのマネジメント法が、インタビューの中にあった、——「機能マネジメント」から「個性マネジメント」へ——です。
「個」を生かすために部下の特性を把握し、熱の込もったディスカッションを部下と何度となく重ね、本質的なコミュニケーションと、この仕事のミッションを 一人一人が納得することを徹底的に行う。F1という世界最高の技術を競う舞台で、この「個」をマネジメントするアナログ的な考え方が人を最高の武器に変 え、そのことが成功への秘訣なのだと考えます。

「和魂洋才」

日本の心や伝統を大切にしながら他国に学ぶ。桜井さんの言っていたこの言葉が大好きになりました。

株式会社クライアントサイド・コンサルティング
代表取締役社長 越石 一彦

<完>

インタビュアー:越石 一彦



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